『焼酎は自由だ』 ~宮崎焼酎フェスティバル2022~

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『焼酎は自由だ』 ~宮崎焼酎フェスティバル2022~

上京当時、本格焼酎は居酒屋や酒店に置いておらず、
都内の数少ない宮崎料理屋に行くしか飲むすべがなかった。

焼酎はウイスキー・ウオッカ・ジンなどと同じ蒸留酒。その製造方法により「焼酎甲類」と「本格焼酎」(乙類)の2つに分類される。
「焼酎甲類」は蒸留を繰り返して造られる無味無臭の焼酎で、飲みやすさが特徴。居酒屋のチューハイやウーロン割りなどに使用される焼酎は、大手酒造メーカーが製造するこの甲類がほとんど。

「本格焼酎」は米や麦などから麹を作り、米、麦、芋などの原料を入れて発酵させ、単式蒸留方式で一回こっきり蒸留する昔ながらの伝統的な焼酎で、それぞれの産地や蔵元によって独特の風味が味わえる、いわゆる”くさい焼酎”のことである。ちなみにその沖縄特産のものを「泡盛」という。

宮崎本格焼酎の特徴は、南北に長い地理的要因でバラエティ豊かな原料から造られているところにある。鹿児島に近い県南部や都城地区では芋焼酎が多く好まれ、県西部は熊本の影響を受けて米焼酎が好まれるなど、エリアごとに独自の焼酎文化圏を築いている。そんな背景もあり、宮崎県の製造業全体の出荷額で焼酎は第1位、焼酎産業は宮崎の基幹産業なのだ。

我が家では(というか宮崎南部のほとんどの家庭で)芋焼酎が常備されていた。夕食時に20度のお湯割りをちびちび飲む父親の姿をずっとみ続けていれば、それはDNAに刷り込まれ代々受け継がれていく。かくして、芋焼酎はなくてはならないお酒になってしまうわけだが、その個性が強すぎて需要が限られ東京では簡単に手に入らなかった。

潮目が変わったのが2000年初頭。
とある芸人が宮崎芋焼酎のある銘柄を絶賛し、知名度が拡大。なおかつ、低カロリー、低糖質、プリン体ゼロといった「健康性」が拍車となり、常用酒を焼酎へ切替える消費者が急増した。それまで麦が主流だった焼酎市場の中、芋焼酎が一気に市場を席捲し焼酎ブームが到来した。

2003年、焼酎全体の出荷量は日本酒を上回り、居酒屋はおろかそれまで洋酒一辺倒だったバーやラウンジのボトルキープのお酒も、焼酎に置き換わることが増えてきた。「流行には必ず終焉が訪れる」という格言どおりブームはそんなに長続きしなかったが、酒屋やコンビニで本格焼酎がふつうに買えるようになった。なんて幸せな時代だ。

一過性のブームは過ぎ去ったが、それでも宮崎の蔵元たちは地道な努力や研究を重ね、味わいや商品デザインなどの工夫を凝らし、様々な商品を発売し続けた。

2014年、画期的な出来事があった。
それまで長年本格焼酎王国として君臨していた鹿児島県を抜いて、宮崎が本格焼酎出荷量で日本一になったのだ(某大手焼酎メーカーの貢献度大なのだが)。宮崎の酒造業界はその快挙に沸き立ち、県下の蔵元が一堂に会してそのお祝いと一層の隆盛を祈願して決起集会を開催した。それが「宮崎焼酎ノンジョルノ」だった。

「ノンジョルノ」とは宮崎の呑助同士の挨拶「飲んじょる?」とイタリア語のこんにちは「ボンジョルノ」をかけ合わせたとても無理のあるネーミングなのだが、その後宮崎焼酎を首都圏で啓蒙するイベントの名称として使用され続けてきた。
直近2年間は、コロナ禍の影響で中止せざるを得なかったが、来年2022年、規模を拡大し装いも新たに『宮崎焼酎フェスティバル2022』として開催することになり、焼酎好きが縁でそのアートディレクションを担当することになった。
以下、フェスティバルのリリースです。

7年連続本格焼酎出荷日本一の宮崎県が、
来年『宮崎焼酎フェスティバル2022』を開催します。テーマは『焼酎は自由だ』。
宮崎焼酎ベースのカクテルを全国235店のバーで提供する『MIX UP Week』や、スペシャルイベント『宮崎焼酎フェスティバルin東京』の開催など、宮崎が誇る本格焼酎の魅力とその可能性を縦横無尽に提案する、焼酎と食の祭典です。

『MIX UP Week』は2/1(火)~2/20(日)全国235店のバーなどで同時開催。
『宮崎焼酎フェスティバルin東京』は2/12(土)東京天王洲・B&Cホールにて。

本格焼酎好きの方、新しい焼酎の飲み方に興味がある方、
日本のひなた宮崎県に関心がある方、ぜひご参加ください!

会場のディレクションも手がける『宮崎焼酎フェスティバルin東京』にはもちろん参加します。焼酎好きの方、一緒に宮崎焼酎の素晴らしさを堪能しましょう。

と、焼酎のお湯割をちびちび飲みながらコラム書き上げました。旨し!

  • フェスティバルのロゴデザインは「集う」をコンセプトとした。

  • 『宮崎焼酎フェスティバルin東京』では、宮崎を代表する25蔵元の本格焼酎と、宮崎食材をふんだんに使った料理を堪能できる『ノンジョルノ』や、ミクソロジーの第一人者・南雲主于三氏プロデュース、全国36の名店バーテンダーが集結し、焼酎ベースのカクテルで焼酎の新しい可能性を提案する1day BAR『MIX up』など多彩なイベント満載。まさに『焼酎は自由だ。』を体感できるイベントです。詳しい情報は特設サイトで順次アップデートする予定です。

  • ノンジョルノでは25の蔵元が集結。杜氏達が手塩にかけた一滴渾身の焼酎をお楽しみください。

※「宮崎焼酎フェスティバルin東京」は、新型コロナウイルスの感染拡大にともない中止することが決定し、今年3月にオンラインイベントとして形態を変え開催されることになりました。
飲食店で人数制限が行われているなかで、多人数が集う”飲み会”の開催中止は妥当な判断だと思います。ここまで時間をかけて準備してきましたが、やむを得ません。
またみんなで乾杯ができる日々を夢想しながら、焼酎お湯割をちびちびと飲んで家ごもりしたいと思います。

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